会場内の情報保障とサポート

点字やフロッピーによるガイド、手話通訳などが全く準備されていないことを知った上でのモニター参加であったが、思うように情報がとれないことに対するいらだちは、かなり大きなものがあった。各社1人でよいから、手話のできる説明員を配置したり、視覚障害者用に総合ガイドのテキスト版を準備するなどの配慮が、今後は望まれる。
また、主催者側が準備できるサポートスタッフにはコスト的な限界があるので、「一緒にComJapanに行こう」とネット上で呼びかけて当日を一緒に回ってくれるような、パソコンボランティアを組織するのも一案と思われる。


●私自身、何度も何度も経験しているが、手話通訳がいないことは問題だった。大イベントにも関わらず、聾の立場は弱いものであることは承知の上で行ったものの、やはり、なにも分からないままで終わってしまい、悔しくて泣けてしまいそうだった。
「展示会のアクセシビリティ」なんて、前々からやっていた事ではなかったのか?また、聴覚障害者の「情報保障の問題」は、何度も訴えても、いやはやもう健聴者の耳には届かないであろう。いくらやっても同じ事を繰り返すようなら、このような展示会には聴覚障害者、誰もが行かないであろう。
それに、各企業のPR方がアンケートを求めてくるたびに、私が「耳、聞こえない」手話使うと、何もなかったように、素っ気なく無視?されたかのように素通りしてしまった事は憤りを感じる。それとともに、ハウリングと磁波(電磁波?)でものすごく頭が痛く、ストレスがたまってしまう。
幸いにして、ある企業には、手話のできる方がいた。その方は曰く(手話で…)
「あなたは聾唖者ですか?」「聾の方でこうゆう展示会で会えるとは思っていなかったわ!うれしい!ありがとう!」「少し時間あるから説明してあげる!」こうだった。
さらに「補聴器使ってるようだけど、頭痛くない?はずしてもいいよ。無理しないで。」とも言われた。今までの憤り、イライラした気持ちはどこか消えてしまった。もう思いっきり手話で話ができたからだ。再度、Com Japanを開催するならば、各企業に手話のできる方を配置して欲しいものだ。(聴覚障害)

「聴覚障害者に対して」
●私も知りませんでしたが、補聴器と、マイクがハウリングを起こすらしく、かなり聞きにくいらしいです。雑音が多く、ストレスがたまるようです。なんらかの配慮ができるといいと思いました。周波数が合うと、携帯電話の会話も聞こえるそうです。
●説明をしている、コンパニオンがほとんど女性なので、声が甲高く、かつマイクを通すとかなり聞き取りにくいようです。
●かなり光物が多いので、疲れるそうです。(注:目から情報を得ようとするため)
●手話ができる人がいる企業が、リコーだけでしたが、これにはありがたかったようです。聴覚障害者は、そのコミュニケーションの手段が,要約的な筆談や手話に限定されがちなのが現実です。今後は企業側も、「聞こえない」ということを理解し、手話や筆談のできる方の配置を考慮していただきたいと思います。また、シャープの女性は、わかりやすい筆談でコミュニケーションを図っていました。(ボランティア)

●報告会で耳の不自由な方が「手話通訳者が少なくて苦労した」とおっしゃられたので、知りたいことを要約しながら書いてくださる、要約筆記者といわれるボランティアの方々に、会場にいていただくというのはどうかと思いました。手話がお解りにならない方もいらっしゃるのではないかとも思いますので、要約筆記でコミュニケ—ションを図れば、一般の人とも意思を交換できると思います。
東大病院で案内用のPHS貸し出しをしていると聞きましたが、私も新宿の高島屋で不自由な人むけにそういうサービスをしていると聞きました。(肢体不自由)

●ボランティアの人がもう少し参加していたら、一対一の対応ができたのではないか?
個人的には3名の肢体不自由の方とご一緒しましたが、なかなか大変でお一人お一人のケアができなかった。というのが個人的な感想です。(ボランティア)

●これは贅沢な注文かもしれないが、会場内だけ面倒を見てくれるサポーターを置いて欲しかった。例えば、今回は、たまたまユーディットの企画で参加させていただき、マイクロソフトの人がちょっとした介助をして下さったので良かったのですが、全く個人的に参加したとしたら、自前で介助者を用意するか、不自由を承知で単独で参加しなくてはならないので、多分、参加できなかったと思う。事前予約制で、しかも費用をある程度自己負担しても良いから、大きなイベントではその会場内だけちょっとしたサポートをしてくれる人がいたら、中程度の障害者も参加しやすいのだと思います。(肢体不自由)

●展示品についての説明は、将来できましたら点字も打てるし、普通の字もプリントできる紙に書いていただければと思います。プリンティングフェアでそういう紙を見ましたので。ただ1枚あたりの価格が300円程度かかると聞きましたので、難しいかもしれませんが…(肢体不自由)

●発表の時に、視力障害の人にパンフレットを渡さなかったと言う話がでていたが、読む方法はあると言うことを関係者に認識させる必要があると思う。私もつき合っていく中で、あげるのは失礼だと思っていた写真が意外に好まれると言うことを知った。(肢体不自由)

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