ComJapan1999 アクセシビリティチェックレポート

嶋田 貴夫さん(30歳代)

内容

1.担当エリアの特徴

担当したエリアは、プレハブ的な小さなブースの集合。展示内容も小規模でした。展示内容の大小の例を下記に挙げます。
(a) 大きな物:机の上にパソコンを2台ほど置いてソフトの説明をしたり、機器を置いていた。説明員は2〜3名。
(b) 小さな物:机の上にただチラシを置いてあって、説明員もいない。

会場風景

2.調査方法

主に下記手順にて行いました。
(a) 最初に自己紹介と訪問の理由を述べる。
(b) 障害者、高齢者がブースに来ることにどのような準備をしているかを質問。
(c) 冊子の説明をして、今後の参考にしていただくようにお願いをする。
(d) 障害者の立場に立った生の意見を聞いていただく。(堤さんが特に活躍)
(e) 実際に展示物を説明していただく。
(f) バリアフリーな展示についての理解をいただくようさらにお願いしつつ、お礼を言う。

3.調査結果

(a) 訪問ブース数
全20ブース中、説明員の方がいる10個について訪問しました。その他の無人ブースにパンフレットを置くのは、相手に意図が伝わらない可能性が大きいため断念。
(b) 障害者・高齢者に配慮していたブースはどんな作りだったか。

(c) 望ましい接客態度としてどんなものがあったか

(d) インターネットを使った障害者の意見集約についてどう思うか
非常に有効だと思います。特に今回のような1日限りのイベントでは、

という組み合わせが非常によかったと思います。効率的であるだけでなく、メールで意見を交わした人と実際に会って行動する、という面で作業として楽しめました。

会場風景

4.その他

(a) 意見を求めているICカード
<内容>
出展者のひとつ「ICカードシステム利用推進協議会」では、将来ICカードを行政に取り入れるように推進している。ICカードが社会基盤のひとつとなる可能性を考えて、障害者、高齢者が不便にならないよう、意見を集めたいとのこと。そろそろ公式に意見を集める行動を取るが、その他にも意見を集める方法がないかと質問されました。
<対策>
堤さんから、視覚障害者からの意見を述べると同時に、名刺をいただき、主催者に連絡しました。

(b) 親切な対応に加えた興味の目
今回訪問したブースの説明員の方々はいずれも親切で、長くなりがちな我々の話をきちんと聞いていただきました。また、積極的な興味を示す方も何人かいて、「冊子をもう2部ほど下さい。」「普段からこのような活動をされてるのですか?」などの要求、質問などを受けました。

感想、その他

1.感想

(a) 担当エリアのブースが小さいものであったため、当初は「あまり言うことないかな?」と思っていた。出展者も「シンプルですからとくに。」という感覚でした。しかし、小さな展示であっても、パネルが読みにくい可能性や、人がいないために視覚障害者にとってなにも手がかりがないことなど、いくつか考慮すべき点も見つかりました。これは出展者が事前に気づきにくい点と思われるので、以降のガイドラインに含めていくべきと感じました。
(b) 今回の作業自体は非常に楽しいものでした。実際の作業以外の、ホームページコンテスト、控え室、パーティ会場での会話など、どれも楽しいものでした。いつも感じるのですが、ご自身またはご家族が障害を持たれているかたは、とにかく元気、パワーがあります。自分は出会うたびにいろいろ吸収させてもらっています。感謝。

2.提案1:展示出展者、展示主催者によるメディア配布時のホームページアクセスファイルの提供

(a) 目的
メディアを持ちかえった人が、簡単にホームページや、アクセスすべき情報に簡単にアクセスできるようにする手段を、出展者側に負担のない方法で提供する。
(b) 手段
CD-ROMなどを配布する際には、そのルートディレクトリなどに、「Homepage.lnk」(Windowsの場合)といった形で、クリックする(開く)だけでホームページにアクセスできるファイルを置いてもらう。このファイルを作るのは非常に簡単です。
(c) 期待される効果
視覚障害者にとっては、ホームページへのアクセシビリティが大幅に向上する。視覚障害者に限らず、パソコンに不慣れな人、キーボードをあまり使えない人にとっても有効。出展者側にとっては負担のない方法でホームページアクセス人数を増やすことが出来ます。

3.提案2:バリアフリー5つ星評価

(a) 目的
出展者のバリアフリー対応意識を向上し、よりバリアフリーな展示が増えるしかけを作る。
(b) 手段

(c) 期待できる効果

(d) 課題

無人だったり、展示のないブースもあった。

4.今後の課題

(a) 無人ブース対応
無人ブースに対応するために、「説明プリント」があるとよいかと思った。説明プリントと冊子を、パンフレットとは別のところにおいておけば担当者が気がついて持ちかえってくれる可能性は高い。
(b) マンネリ化に注意
訪問を繰り返していると、説明などがマンネリ化してくる。内容は同じであることは当たり前だが、気をつけないといけないと思った。おざなりにパターンで話していると、相手にそれが伝わることが多い。
(c) より具体的な提案を目指して
上記に提案したように、出展者側がどうしたらよいのか、より具体的に説明していきたい。コストや手間がかからずに出来る内容等は、アピール方法次第で採用されるチャンスが大きくなると思う。
コストがかからずに対応できる工夫に頭をひねりつつ、具体的に、明日からでも対応してもらう方法も考えていきたい。

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