ComJapan1999 アクセシビリティチェックレポート

堤 由起子さん(27歳)

望ましいブース及び、接客のあり方
私たちの回ったブースは、ブース自体が狭く、物もゴチャゴチャ置いていないシンプルな造りだったので、障害者の物理的アクセスビリティの観点から言うと、問題はないと思います。ただし、視覚障害者に限定して考えると、やはり、例えブースがシンプルでもそのブースの存在自体が認識できず、素通りしてしまう可能性があります。従って、最低限、簡単なブースの展示内容が記載されている触地図をその場もしくは、前もってもらうことが出来れば、なんとか自力でも興味のあるブースにたどり着くことが出来そうだと思います。
それとも、各ブースで会社名と商品の説明などを、側に行けば聞えるくらいの大きさで流す。もしくは、各展示スタッフが、「何々のブースは、こちらです」と、さりげなく、声を掛けてくれるなどの配慮をしていただければ、全盲の方でもアクセスしやすいと思います。
実際ブースの中に入って詳しい説明を聞く場合も同じで、まず、大まかな展示内容を障害者に伝えた上で、本人に興味がありそうなリアクションがあれば、なるべくわかりやすく説明をもらうと良いです。わかりやすい説明が出来るか出来ないかは、そのブースのスタッフの手腕にかかっていると思いますが、誰もがわかりやすい説明を心がけていただきたいのは、営業のプレゼンの基本だと感じました。
私が、回ったブースは、どこも、甘く採点して60点ぐらいです。確かに、ビジネス向けの商品を扱うブースで、障害者が来ることは、ほとんどないため、アクセスビリティに関しては、配慮していないというお答が多かったです。
それでも、どんなものが展示されているのかという質問に対しては、熱心に答えてくれたスタッフの方もいらっしゃいましたが、私たちがかなりつっこんで積極的に質問して行かないと、なかなか話しが進まないので、正直言って、資料も何もない状態だとつまらなくて、回る気が失せてしまいそうです。これは、後に、書こうと思っていたのですが、せめて、その場で読める資料があるのとないのとでは、そのものの興味関心度が格段に違うと思われます。資料がないということは、私たちの場合、どこへ行っても大半のお店で言えることなので、もう、意識することすら、忘れてしまうほどです。
しかし、特に、ものを展示している会場では、視覚障害者がその場で資料が読めないということを十分に考慮して、十分な接客を心がけていただきたいというのが、本音です。

インターネット意見集約について
やはり、前もってMLで、他の人との意見交換を行っていたため、いろいろな傷害を持つ肩の意見を知ることが出来たのは、当日、ブースを回って説明していくのに、非常に役に立ちました。
そのほか、MLで、みなさんのご意見を拝見させていただくと、その人のある程度の人物像の検討を付けることが出来ましたので、当日、お名前を聞いただけでも、話しかけたくなりました。
それだけ、横の繋がりも縦の繋がりも密になれた気がしました。

廻ってみた全体的な感想
やはり、どこのブースでも障害者に対するアクセスビリティに関して配慮しているところは、ありませんでした。確かに、障害を持つ人がこのような展示会に参加して来ることが少ないため、あまり、意識には、登らないのかもしれません。
配慮がないため、障害者は、展示会に来られないという、逆の考え方も出来ますが、いずれにしても、今の状態では、どなたか、サポーターの人がついてくれない限りは、はっきり言って、出かけていくのに二の足を踏む状態です。
今、私たちが出来ることは、障害を理解してもらうために、日々物怖じせず企業の人たちに主張していくことが大切だと感じました。
主張してもなかなか変らない部分もあると思います。しかし、主張していかないと何も変りません。自分たちの生活をより良くするためには、何が原因で不便なのかということを良く考えて、物事の真実を見極める目が必要だと思います。辛いことではありますが、自分の傷害を良く理解して、意識を強く持ち、周りに、アピールして行きたいと思いました。

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