「現代の通過儀礼」
21世紀は
「人間がマルチ化する時代」
でなければならないと僕は思っています。
マルチメディアといいながら、
私たちの発想はまだ全然マルチになっていない。
視覚と活字に偏ったメディア環境のなかで、人間のもつ可能性のほんの
一部しかみえていない。
人間はもっと当たり前に多様だ、自分のなかにも自分の知らない
「たくさんの私」が潜在している、
ということを発見するためにも、
今回のこの日本版DID「黎明」に期待したいと思います。
それは恐らく、私たちがしがみついている「健常・障害」
という概念の狭さに気づき、真に豊かでおおらかな人間観に
私たちが開かれてゆく通過儀礼となるでしょう。
東北芸術工科大学助教授(文化人類学者) 竹村真一