ルース氷河は、
雪、氷、岩だけの壮大な、
そして無機質な山の世界です。
あふれる情報の海の中で暮らす
今の日本の子供たちにとって、
それは逆の世界です。
テレビもコンピューターゲームもマンガもありません。
何もないかわりに、
そこにはシーンとした宇宙の気配があります。
氷河の上で過ごす夜の静けさ、風の冷たさ、星の輝き・・・。
情報が少ないということは、ある力を秘めています。
それは人間に、何かを想像する機会を与えてくれるからです。
星野道夫「Aurora Times」より、抜粋
写真家 星野道夫