
はじめに
来世紀初頭、日本の成人人口の50%が50代以上になると言われています。また、証券会社のインターネット取引なども、中高年層がその中心ユーザーです。他方、パソコンやインターネットを利用して就労したり情報受発信を活発に行なう障害者も増えてきました。いまや情報通信業界は、初めて使う主婦層や中高年層、障害を持つユーザーなど、さまざまな人々のニーズに対応することが求められています。
この小冊子は、高齢者・障害者を含むさまざまなユーザーが、より満足できる展示会であるには企業側にどのような配慮が必要かをまとめたものです。展示会場を作るときの配慮にはじまり、パネルの字の大きさや照明、展示物の置き方、音響といったハード的な配慮が最初に挙げてあります。次に、障害を持つお客さまをブースに迎えるときの心構えや、障害別の配慮点といった、ソフトの部分、サービスのあり方について、まとめています。インターネットのヘビーユーザーである彼ら・彼女らが、今後の展示会における情報機器の更なる利用方法について提案をしている部分もあります。また、障害者にアクセシブルなWebのデザインガイドも掲載しましたので、ぜひ各企業のWebサイトを見なおしていただけると幸いです。参考として、昨年のComJapanにおけるアクセシビリティレポートも掲載しました。
今年のデータはメーリングリストでの会話を中心にして、幾つかの図書(※)も参考に編集しました。すべての観点を網羅したものではありませんが、障害をもつ当事者や高齢者の意見として、今後の展示会にお役立ていただけると幸いです。
なお、今回の企画に当たっては、ComJapan事務局、および社団法人 日本電子工業振興協会さまの多大なご協力をいただきました。深く感謝いたします。
事務局 株式会社ユーディット
(情報のユニバーサルデザイン研究所)
http://www.udit.jp/
(※)参考図書 バリアフリーの店と接客 E&Cプロジェクト編 日本経済新聞社
バリアフリーガイドブック‘99 日本経済新聞社