7.Windowsアプリケーションのチェック結果の解説1(Word・Excel)
マイクロソフトのビジネスソフトであるOfficeシリーズもアクセシビリティに対応しています。OSの持つアクセシビリティ機能に対応していることに加え、各ソフトが独自のユーザー補助機能を持っています。
ユーザー補助機能について
Word のユーザー補助機能
- ・ショートカット キー
- キーボードから直接使用できる機能やコマンドが多数あります。必要なコマンドにショートカット キーが割り当てられていない場合は、ユーザー自身で割り当てることができます。(JIS 6.4.12に対応)
- ・サイズとズーム オプション
- 文書を拡大して、画面上の情報を読みやすくすることができます。ツールバー ボタンを拡大して、見やすく、使いやすくすることもできます。マウス ポインティング デバイスを使用している場合は、画面上でボタンをクリックしなくても、マウスを使用して直接スクロールおよびズームすることができます。たとえば、Ctrl キーを押しながらホイールを前後に動かすと、文書を拡大または縮小できます。(JIS 6.1.3に対応)
- ・色とサウンドのオプション
- 色とサウンドのオプションをユーザー設定することができます。たとえば、テキストと番号の色を変更して文書を見やすくしたり、ボタン、メニュー、およびその他の画面要素で使用するサウンドのオンとオフを切り替えることができます。
- ・音声認識
- 音声認識機能を使って、コマンドを操作したり文章を入力することが出来ます。(JIS 6.7.5に対応)
- ・要約文章の作成
- Wordの機能の1つに「要約の作成」があります。これは長い文章の要約を自動的に作成するもので、認知に障害を持つ人に対して効果があることがあります(JIS 6.7.4に対応)
- ・文章校正
- 学習障害などの人に対して効果があります。(JIS 6.7.4に対応)
Excel のユーザー補助機能
- ・ショートカット キー
- ・ツールバーのボタン名の表示と非表示を切り替える
- ・文字のサイズと色を変更する
- ・表示を拡大または縮小する
- [ズーム]のサイズをクリックするか、または10?400の数値を入力します。選択した範囲をウィンドウに合わせて拡大するには、[選択範囲]をクリックします。
- ・ツールバーのボタンやドロップダウン リスト ボックスの表示を拡大する
- ・入力と編集を自動化する
- ・入力やスペルの誤りを修正する
- 入力ミスをしやすい単語をあらかじめ指定しておくと、自動的に正しい単語に置き換えることができます。(JIS 6.7.4に対応)
- ・セルの読み上げ
- Excelには読み上げの機能が単独で内蔵されています。この機能を利用することで各セルの内容をコンピューターに読み上げさせることが出来ます。(JIS 6.7.5に対応)
WordやExcelで作成したドキュメントを障害がある方が利用する場合があります。作成の際にいくつかの点に注意するとこれらのドキュメントをアクセシブルに作ることが出来ます。
ここでは、アクセシブルなコンテンツを作成する方法を、いくつか紹介します。
Web ページや HTML ベースのドキュメントを作成する場合、使用する画像には、必ず代替テキストを追加します。代替テキストは、スクリーンリーダなどの画面読み上げソフトを使って情報を得ている際に有効です。
重要な情報を音響情報だけで伝えないようにしましょう。たとえば、PowerPointプレゼンテーションにサウンドが含まれている場合、サウンドの内容をテキストでも説明しましょう。音響情報をテキストやアニメーションなど別の形式でも用意することによって、サウンド カードを持たないユーザー、スピーカーをオフにしているユーザー、または聴覚に障害のある方もこの情報を利用できるようになります。
重要な情報を色だけで伝えないようにしましょう。たとえば、Excelのシートに含まれるグラフの凡例が色でのみ区別されている場合は、テキストによるコメントなど、別の目印を使って、色の情報を補います。モノクロプリンタで印刷されることも考えられます。また、画面読み上げソフトを使用している場合は、色だけで表された情報はなかなか伝わりません。