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事例紹介

製品利用の状態を長期的に調査する手法の開発

【TOTO株式会社様】

弊社では、加齢の影響を気にせずに新しい製品やサービスを使えることが、生涯を快適にする上で大変重要であると考え、「生涯続く使いやすさ(life-span usability)」という概念を提案しています。life-span usabilityとは、「高齢になってから新しい製品を買っても、苦労せずに使うことができる使いやすさ」のことで、英語論文や国際会議を通して、その重要性を説明しています。

「生涯続く使いやすさ(life-span usability)」を実現するためには、高齢者がどのように新しい製品に慣れるかを知る必要があります。そのため、TOTO株式会社様と共同研究を実施し、お客様が新しい製品を導入してから慣れるまでの過程を調査するための手法を開発して慣れのプロセスを可視化しました。

TOTO株式会社様は1917年の創業当時から1人1人のお客様の生活を考えた、水回り製品を開発し続けており、ユニバーサルデザインの活動で世界的に注目されている企業です。特に、トイレで使う製品は多くの人が毎日欠かさず使う、大変大切なものですが、トイレの中では人に聞くことができないため、誰にでも、すぐに、製品の使い方が分かることは大変重要です。製品の使いやすさを改善するためには、お客さまがどのように製品を利用していて、どのような点に困っているのかを知る必要があります。けれども、トイレという私的な空間での、長期にわたる製品利用の状態を、ユーザーの気持ちと共に把握することは大変難しいため、世界的にもあまり研究事例がありませんでした。

そこで弊社では、認知的ウォークスルー法と日記法を応用して、製品利用の状態を高齢者自身が自分で記録できるような書式を開発し、4週間の調査を実施しました。

お客様24名のお宅に新しい温水洗浄便座 ウォシュレット とリモコンを設置して調査を実施した結果、最初の2週間ではユーザーはいろいろな機能を試し、その後、使う機能がほぼ決まってくること、30代のユーザーは使い方をすぐに発見するけれども、高齢者の中には自力では正しい使い方を発見できないユーザーが存在することがわかりました。

本共同研究の成果はイギリスの論文誌(Journal of Engineering Design)に掲載され、社会に役に立つ成果であるとのご意見を頂きました。

 


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