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2004年CSUNツアーレポート:関根千佳(1)

3月16日 出発の日およびLA一日目

出発直前になって、やはり今年もPCでトラぶった。あと30分で家をでなきゃ、さ、そろそろパソコンの電源を落としてリュックにしまおう。今年は買ったばかりのムラマサをもっていけるから、データの移し変えがなくて楽チンだわ。。。そう思った直後である。あれ、ここにあったはずの、国際モデムカードがない!!!ムラマサには、なぜかモデムがついていない。有線のLANポートと無線LANは標準装備なのに、モデムはないのである。これはエッジで接続する国内では問題ないが、ホテルで電話につなぎたい海外でだけ困ったことになる。そう思って国際モデムカードを買って、設定まですませておいたのに! 
社員の家まで電話をかけまくる。誰も知らないという。刻々と時間が迫る。今までの作業が全部入っているムラマサを持っていくべきか?海外のホテルでLANがつながるかどうかはわからない。先月の終わりまで、外出用に使っていたVAIOを持っていくか?接続できるのは確実だが、最新データは何もない。結局、この「究極の選択」は、データよりもコミュニケーションを重視する私の性格で、VAIOに軍配があがった。ま、一緒に行く社員たちのPCにもデータはあるはずだから、いざとなったらそっちを頼ろう。緊急メールが読めないことのほうがフラストしそうだもの。アクセスポイントのないクレタ島へ行ったときは、嬉々としてネットから離れることを選択したのに、いやはや、私はやはりネットワーカーであることを捨てられないらしい。少ししゅんとして成田へ向かった。 

今回で、弊社のCSUNツアーは5回目、私自身はたぶん8回目?である。今年は2月に早々と30名を突破し、最終的に36名の大所帯となった。多くの企業のユニバーサルデザイン担当者、支援技術ベンチャーの社長、地域での支援NPOリーダー、大学の先生と学生など、なかなか多彩な顔ぶれである。男性18名、女性17名と、男女比がほぼ半々なのも特徴的だ。特にこの数年、女子大生が増えてきて、添乗員の毛利さんも幸せそうである。(彼はなんと休暇をとってボランティアでつきあってくれるので、こんなに価格が安くできるのだ!)年齢も19歳の学生から60代のパソコンボランティアまでと、幅広い。さまにユニバーサルなツアーなのである。LAまでの往復航空運賃と会場のヒルトンホテル5泊、全朝食と豪華なディナーが2回ついて、13万は絶対安い。学生さんは実はもっと安いのだが、ここでは公表しないでおこう。さらに市内観光もスーパーマーケットやワインのディスカウントショップなど、ディープなアメリカ生活に触れることが可能で、別料金でLAの障害者支援施設の視察もついている。夜は毎晩、情報交換のための宴会が深夜まで続く。みな、体力の限界まで、勉強し、展示を見て回り、よく食べ、よく飲む。リピータも多く、ここでできた参加者同士の人脈で仕事が広がることもある。 
着いた当日は、まずはホテルでCSUNコンファレンスの登録をして、サンタモニカのハーバーを見て昼食、UCLAやチャイニーズシアターなど市内観光をして、スーパーでビールやワインを買い込んでホテルへチェックインした。帰りのフリーウェイが、がんがんに混んでいて予定より1時間以上遅れる。見たいテレビ番組を見逃してしまったらしい、ちょっと不機嫌な運転手をなだめつつ、ホテルへ戻ってCSUNのレセプション会場へ直行した。 
会場でまずマイクロソフトのアクセシビリティマネジャー、マデリンと担当のボニーに声をかけられる。今年のレセプションはマイクロソフトがスポンサーらしい。気づいてみれば、CSUNの名札の紐にもしっかりMSのロゴが入っている。このところMSはこの分野への力の入れ方が、はんぱではない。Linuxよりもはるかに周辺ツールが揃っているので全体的なアクセシビリティは高いのである。ただ、それを米国以外の国でももっと普及させてほしいという気もするが。 
すこし遅れていったので、ワインを1杯と小さなサンドイッチを一つとるのがやっとだった。ま、海外からの参加者は無料なのだからいいか。会場には相変わらず、見慣れた顔が溢れる。Gregg VanderheidenやLarry Goldberg,Judy Brewerといったこの世界のキーマンたちが一同に会する、世界でも稀有な機会だ。だが、Jim Tobias やMike Pacielloといった古くからの知り合いの姿が見えない。どうしたのだろう?会場で一際美しいレディに声をかけられる。ボストンのアダプティブエンバイロンメントセンターのバレリー・フレッチャーだ。今年の12月に予定されているユニバーサルデザイン国際会議に関して話をする。ITエリアの論文審査を、と依頼されてちょっとうなってしまったが、イグアスの滝も見たいし、なんだか勢いでOKしてしまった。大丈夫だろうか?次回、2006年は日本でやるという。また大変なことだなあ。


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