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スローなユビキタスライフ感想文

遠藤 隆也 氏  (NTTアドバンステクノロジ株式会社)

初めて原稿を読ませて頂いたときに、おもわず目頭が熱くなり、「懐かしい優しい心」に包まれている自分に気づきました。それは、もちろん、孝志とたっく ん、それに香成たちにおもわず感情移入していたからかもしれません。 でも、もっと奥深いところを流れる何か小さなオリジンに触れられた喜びを感じたからかも しれません。

本「スローなユビキタスライフ」は、文理融合を目指した「横断的科学による ユビキタス情報社会の研究」(やおよろずプロジェクト)というお堅い研究開発 活動の中から生まれてきたものです。この活動の中に関根さんが入っておられたことが、研究開発の中に「懐かしい優しい心」をもたらしたと言えるでしょう。
新しい技術は、人々のライフスタイル、そして社会の諸相そのものを変えてい きます。開発するシステムがどのような社会をめざしているのか、それを人々に 優しく話し、理解して頂くことは、とても大切なことです。そのお互いにわかり あえる「懐かしい優しい心」をつなぐツールとしてもすばらしいものです。
今後の技術開発には、文理融合の活動が必須となってきます。そのプロジェク トの研究デザインやマネジメントにとって、研究開発にたずさわる文理の多様な 専門の方々をつなぐ基本的なメソドロジーを提供して頂いたことにも感謝してお ります。

「懐かしい優しい心」をもったシナリオは、様々な関係性を生み出し、多様な 現実・社会を構成する豊饒さと可能性をもっています。現在、社会を変革しうる 「人間社会科学」として、社会構成主義アプローチが注目されています。本「ス ローなユビキタスライフ」は、技術開発における社会構成主義アプローチのさき がけになることでしょう。

   グラウンド・デザイナー 関根さんに乾杯!