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スローなユビキタスライフ感想文

村上 康二郎 氏  東京工科大学メディア学部 専任講師

「人間にとって幸せなユビキタス情報社会とは」

この「スローなユビキタスライフ」は、文部科学省「横断的科学によるユビキタス情報社会の研究」の中から生まれた。私は、このプロジェクトで、人間を幸せ にするIT技術は何なのか、人間にとって本当の幸せは何なのかということを問い続けてきた。 この本は、その問いに対する筆者の答えのように思う。
一般に、ユビキタスというと、ICタグや情報家電が連携して、全てのことをやってくれるような生活をイメージしがちである。しかし、それが人間にとって本 当に幸せなのだろうか。
この本では、ユビキタス情報技術を用いながらも、人と人との温かいコミュニケーション、人と自然との共生、ゆっくりと流れる時間など、大切であるにもかか わらず、我々が日々の生活の中で忘れがちなものが描き出されている。 また、私は法学者として、ユビキタス社会におけるプライバシー保護の重要性を説いてきた。 このプライバシーの点についても、この本の中では、配慮がなされている。

読者の方々も、この本をきっかけにして、現代の情報社会が今後どのような方向に進んでいくべきなのかを考えていただければと思う。