Home » レポート » ツアーレポート » 2012年度CSUNツアー » レポート:関根千佳 » 3月4日

工作室も楽しそう

今回も、サンディエゴ郊外のリタイアメントコミュニティ、Wesley Palmsを訪問する。あふれる陽光のもと、元気いっぱいのシニアが暮らす場所だ。到着して早々、パワフルなジャズ演奏が聞こえてきた。日本なら若者のボランティア団体でも来ているのか、と思われるだろうが、ここはアメリカ、当然ながら、演奏しているのは、ここの住人のシニアたちである。大変パワフルな演奏だったが、練習が終わってコテージに帰る姿をみると、歩行器を使っている人もいる。聞けば90歳を超える人が多いとか。で、目的は、今週末に予定されているジャズ演奏会の練習なのだそうだ。これもボランティアで行われている活動の一つである。「ここのリタイアメントコミュニティの何人くらいがボランティアしているの?」と聞いたら、あほんだらという顔で「ALL!」と回答されてしまった。ま、当然といえば当然だ。全員が、なんらかの役割を果たしてこそのコミュニティなのだから。お世話されるのが当たり前、友人の車いすを押そうとしたら、スタッフが飛んできてやめさせるという日本の施設とは全く違うのである。

図書館がたくさんあるのが特徴脳トレソフトも使い放題

それにしても明るい。マンションの部屋からも、リビングからも、レストランからも、ラホヤの青い海がきれいに見える。プールもジムも、図書館も、パソコンルームも使い放題。図書館には、「ミステリー専門室」まであって、アガサ・クリスティやマイケル・クライトンなどがたくさん揃っていた。レストランは、自然食品などのバイキングがあり、野菜と果物は、二十四時間、いつでも食べに行っていいのだという。ここは、本館のマンション形式以外にも、広大な敷地に可愛いコテージが点在している。年齢が上がると移動に困難は出ないの?と聞いたら、これまた、若いお兄さんたちが、24時間、いつでも電話一本で、ゴルフカートで迎えに来てくれるのだそうだ。ジムもレストランも、いつでも使えるのである。

コテージは本当にカワイイレストランのサラダバーは24時間OK

こういったサービスを全部含んで、価格はひと月1990ドルからである。食費やケアは有料になる部分もあるものの、初期費用なしで20万以下というのは、なかなかすごい。「渡り鳥」と呼ばれる、冬の間だけ数か月過ごす人が大変多いというのも、よくわかる話だ。先日訪問した、UCSDのOLLIに通う人が多いのもわかる。50歳から入れるこのよ うなリタイアメントコミュニティが、どうして日本にはないのか、本当に不思議である。

コンピュータのクラスは当たり前

今回は、最後はロサンゼルスから羽田行きの便で帰った。このパターンは、やはり楽である。来年はサンディエゴ直行便も出たというので、もっと楽になるかもしれない。今年もいろんなことがあったが、世界の中で日本が果たすべき役割について、高齢社会の幸せな姿について、考えることの多い旅だった。参加してくれたみなさん、ありがとう。また来年会いましょう。

今回のメンバー


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