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もしSOHOを始めるなら

  1. 1に人脈、2に専門性、3にハッタリ(実力?)、4に体力
  2. パソコン、ネットワーク利用は当たり前、英語も必須(海外情報の取得はWebから)
  3. 会計、経営、人事管理など、あらゆるノウハウが必要(でも足りない)

SOHOを始める際の注意事項として繰り返し言っていることは、一に人脈、二に専門性、三にはったり、四に体力である。会社を辞めるまでに、自分の会社以外の名刺を1,000枚持っていれば辞めても良いと言っている。外の人脈が無い限り独立してもうまくいかないであろう。従って最初は、自分の会社からの仕事は受けないという覚悟でいたほうが良い。外からどれだけ仕事が来るかというのが重要である。

専門性という意味では、単にWebが作れるというだけでは、すぐに立ち行かなくなるというのははっきりしている。その人でなければできないという仕事を、一つでもよいからつくっておきなさいと言っている。このエリアについては精通している、また、よくボーダレスといわれるが、全く異なる分野で人脈をもつことが重要である。あなたの人脈はこの業界では普通であるが、別の業界では非常に貴重であるということがおきるかもしれないからである。私は、情報と福祉という、傍目にはまるっきり関係のないエリアに身をおいているため、両方の人脈があり、両方の関心が合致したために、双方で仕事をすることができる。情報関係の人から見ると、福祉分野はわからない、また、福祉関係の人から見ると、情報分野はわからないので、双方から私に仕事がくる。こういったボーダレスの仕事ができるのであれば、独立してもよいと言っている。

ハッタリについてであるが、ネットワークをバックに持っていれば、一見できそうにない仕事でも、お請けできますと言って構わない。探そうと思えば、ネット上には必ずできる人はたくさん出てくる。ネット上では、単独で動いている人がほとんどなので、すぐにバーチャル・カンパニーを結成することができる。従って、自分でプロジェクトをコントロールできる能力があり、また、他のSOHOメンバーとチームで仕事をこなしていこうと考えているのであれば、たとえできない部分があったとしても、話があった段階で請けられるとお答えしても問題ない。ここで重要になるのが、プロジェクト・リーダーの存在である。プロジェクト・リーダーに求められるものは、プロジェクトを全部頭の中で組み立てられることである。これは絶対に必要であり、この人がいないと、プロジェクトが動かないと思ってよい。

体力に関していえば、本人が倒れたら、プロジェクトが全部駄目になるということがおきてしまうので、自分がプロジェクトを漕ごうと思うのであれば、それが終わるまでは倒れないようにと言っている。体力は精神力ともリンクしているので、重度の障害があろうと人工透析をしている人であろうと、精神力と体力をもった人には仕事をお願いしている。

パソコンとネットワーク利用についてであるが、これは常識のエリアである。仕事をメーリング・リストの中で行うことがかなり多くなってきており、これは日本語ができる、あるいは、電話を使えるのと全く同レベルの事柄である。これに、更に何ができるかということで、その人が仕事を受けられるかどうかが決まってくるであろう。今は、大学生がこのレベルに達しており、パソコンとネットワークが使えるのは常識となっている。これに、できれば英語が使えると、Web上で仕事をする環境ではありがたい。またPerlでCGIが書けるとか、グラフィック・デザインができるとか、そういった人たちが揃ってくると、いろんなプロジェクトが動かせると考えている。

一人で仕事をしていると、会計・経理・人事管理のノウハウについては、自分一人で取り入れるには難しいエリアであるので、これらのノウハウの共有がどうしても必要になる。この部分のバックアップの体制は、クリエイティブな仕事をしていく上では、非常に重要である。これについては、国レベルにお願いするというよりは、自分達でつくっていかなければならないと思っている。


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