Home » レポート » 研究レポート » 情報のUDレポート » SOHO その光と影 » 今欲しいもの

今欲しいもの

(注 : 対談が98年12月なので、現在、存在しているものもあり)

  1. 三鷹市のようなSOHO向け商談室(会議室、マシン、回線あり、会員への時間貸し)
  2. 都心で、空いた時間に使えるネットワークルーム(モバイルを持ちこんで仕事が可能)
  3. 田園都市線沿線のネットワーカー連絡網(自分で作るしかない?)
  4. 困った時の駆け込み寺(技術的な質問、仕事上の悩み相談、MLには書けない)
  5. かっこいいアシスタント(クールなWebが作れて、情報通で、バイリンガル)

今話題になっている三鷹市のようなSOHO向けの商談室が各区内に一つくらい欲しい。三鷹市が中心になってNTTなどと共に、SOHOの支援センターを創った。プレゼンテーションルームやコーヒーサービス付きの商談室があるほか、SOHOに対して、契約ベースではあるが、2坪ほどの部屋を貸してくれる。そこには看板を出すこともできるし、毎日そこへ出勤し、ネットワークを使いながら仕事をすることができる。

イズムという会社が銀座と初台にSOHO向けオフィスを提供しているが、銀座のオフィスはかなり高い。銀座に行くくらいであれば、SOHOをしている意味がないというのが持論なので、利用したいと思わない。三鷹は、三鷹にあるから価値がある。とりあえず、商談相手は三鷹まで来てくれるわけで、これが大事なのである。私は、東急CATVグループに対して、たまプラーザとまでは言わないまでも、せめて二子玉川に、商談室をつくって欲しいということをずっと言ってきている。商談室が無いのは、かなりつらいものがある。

都心に出なくても、このような三鷹のようなオフィスがあれば、どんなに便利かと思う。SOHO支援のためのオフィスがもっとたくさんあればよいと感じている。会費制にして、年会費5、6万にして、月1、2万にすれば、利用したいという人はたくさんいると思う。そういう人たちが出資してオフィスを作ればよいのだがコストがかかる。現在、国の補助金は、借料に対しては付けることができない。郵政省の補助金は、ビルを建てる場合に限定されているので、三鷹市のような取り組みは先鋭的といえる。郵便局の2階の会議室を貸して欲しいとも言っているが、難点はネットワークが不十分なことである。また、簡保の宿も大いに利用して、ネットワークを張り巡らして、会議室を有効に活用したいと考えている。地域の人たちのインターネット教室に開放し、かつ、SOHOの人たちが仕事をできるようにしたら、地域に人が帰っていくのではないかという話もしている。

都心で仕事の空き時間に使えるようなインターネット・ブースがあると便利である。これは、場合によっては、インターネット・カフェに行けといわれるのだが、個人的にはモバイルを持ち込んで仕事ができる場所が欲しい。そうした場所があったとしても、携帯電話で仕事をするとなると、お金がかかってしょうがない。また、喫茶店でやろうと思うと、まず電気がないのが困る。2時間半程度の駆動マシンに充電をしていたとしても、デモなどに使い一日中動き回ると、すぐ電池が切れてしまう。その点で、郵便局にネットワーク端末を置いてもらって、電気も利用できて、使用料1,000円程度で提供してもらえると非常に便利である。

田園都市線沿線のネットワーカー連絡網を、SOHO仲間や法人会で知り合ったグループでつくろうと考えている。このような地域における横のつながりは非常に必要であると感じているが、法人会でもWebをもっているところは少ないときき、驚いている。

困った時の駆け込み寺についてであるが、これは、技術的な質問を投げる相手を見つけるのが非常に難しいということである。これまで、コンピュータ・メーカに勤めていた時は、何かトラブルがあった時には誰かしら助けてくれる人がいて、サポート体制が整っていた。一人になると、どう説明したらよいのか分からないトラブルというのが起きることがある。問題がプロバイダーなのかメールソフトなのかCATV会社なのかわからないケースがあった。また、周辺機器との整合性の問題で、何かしらのトラブルが起きてくるということが、今後大いに考えられる。そういう時の駆け込み寺がないというのが現状である。今後、このようなトラブルを扱う会社が出てくるとは思うが、周辺機器、ソフトウェア、ネットワークの環境の、どこかでトラブルが生じた際の原因究明は、非常に難しいということはよく分かっているので、1時間3、4千円で請け負ってくれるところがあれば、是非利用したい。今後、このようなサービス系の会社ができるのではと思っている。

仕事上の悩み相談というのも、どこに出してよいか非常に難しい状況になっている。個人的にメール上でのやり取りであれば、仕事上の悩みは相談できる。しかし、右も左もわからない新人SOHOは、こんな時どうしたらよいのだろうかと気軽に聞ける場所が意外に少ない。こういったインフォーマルな付き合いを、今後どのようにつくっていくのかということが問題であり、一人で仕事を始めてみて初めて分かったことである。この点では、組織のなかで仕事をするというのは、何かと便利だったのだなと感じている。

かっこいいアシスタントが欲しいと思っている。クールなWebが作れて、かつ、バイリンガルという人がいれば雇いたいと思っている。Web関係の仕事をしていると、どうしても海外からの情報収集が増えてくるので、英語ができないと、調査系としては使えない。

オンライン上で知り合ったいろんなベンチャー企業の社長さんたちとの仕事の進め方は、一つのプロジェクトが立ち上がるとみんな一斉に集まって、期限を決めてそれを進めていき、終われば即解散という後腐れのないものである。今後は、このようなオンライン上のバーチャルな空間で、プロジェクト単位で動いていく仕事が多くなっていくであろう。雇用関係があると、大変な部分もあるが、バーチャルな場合だと、あらかじめ仕事を割り振り、その内容に応じて金額を決めてしまうので、非常にドライなやり方といえる。私の登録スタッフについても同様で、一人で自営でやっている人に対しては、外注費というかたちで、仕事があった際にお願いしている。これまでの雇用関係という枠がないだけ苦労する部分もある。しかし、私の登録スタッフは、他の会社にも登録して仕事をしており、自分のところだけで面倒をみなければならないという必要がないので気が楽である。このように、仕事の仕方が180度変わってしまったので、今は、おもしろくてしょうがないという状況である。


Buzzurlにブックマーク Googleブックマークに登録 はてなブックマークに登録