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2008年シリコンバレーとCSUNツアーレポート:関根千佳(10)

3月14日 各国各社のUDの今後は?

画像:セッション終了後にパネラーたちと今日はKenがモデレーターを勤めるパネルに2つ出る。最初のはノキア、キヤノン、AOL、Blackberry、HPなどの企業のUD戦略である。各社が、研究開発の初めからUD意識の醸成を始めていたり、大学に働きかけたり、RERCとの共同研究をしていたり、というのが判って参考になった。キヤノンのAubleyは、さすがにUDを進めている日本資本の企業らしく、シニア市場の拡大を考慮して製品のラインナップを考えることは、企業にとって当然という趣旨の発言をして、会場の共感を得ていた。

画像:梅垣さんの勇姿!後半のパネルは、CA(Conforming Assessment)で、508条でも話題になっているTestabilityを、誰が担うかという話題である。IDCで調査した結果として、自己宣言と第三者評価のどっちがいいか、表にしたものが紹介され、それに対して各国の専門家が意見を述べるというものであった。日本からは、弊社の梅垣氏が、JIS規格の適合性評価部会の主査として出席した。内容的には充実したものであったが、実際、この適合性評価を誰がどう行うかに関しては、まだ議論百出といったところで、各国の姿勢は定まってはいないようだ。
日本ではX8341がそのままでは適合性評価に使えないということだが、私自身は自己宣言でも第三者評価でも、どっちもいいと思っている。で、大切なのは、その情報公開だ。どんなタスクで、どんな内容で、どういう人々に評価していただき、その結果がどうなったのか、人間中心設計のプロセスに基づき、可能な範囲で公開してほしい。テスト主体は社内でも第三者でも、HCDの専門家であれば構わない。で、それを、オンラインで公開し、更に多くの方から意見を求めればいい。せっかくWeb2.0の時代に生きているのだから、最初は自己宣言でも、その評価に対し、多くの第三者からコメントが寄せられるよう努力すべきだ。そしてまた新たな評価を繰り返してスパイラルに向上させていけばいいのである。

画像:携帯のUDを説明するドコモ社員午後はNTTドコモさんの発表である。携帯電話のユニバーサルデザインは、まだノキアやLG、サムスンもほとんど手をつけていない分野であり、日本の研究開発が、世界に先行している数少ない例だ。視覚障害者にとって完全にアクセシブルであり、シニアにも使いやすいらくらくホンシリーズは、1300万台売れているという。長い努力の成果なのだろう。今後もこのような地道な努力が、社会に理解されることを望みたい。

画像:介助犬も元気一杯その後は少しだけデモ会場を見て周った。今回は時間がなくて、あまり回れなかったが、相変わらず、電動車椅子と盲導犬は多い!みな、共栄しているなあ。韓国の二次元バーコードの会社は、今年も元気に新製品を出してきた。
画像:韓国の新製品きっとこれから、アジア各国からの製品ラッシュが続くだろう。日本はパナソニックのブースがなくなっており、ちょっと残念だった。


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