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2008年シリコンバレーとCSUNツアーレポート:関根千佳(12)

3月16日 最終日に思うこと

今年もいろんなことがあった。初めてヒルトン以外でのCSUN開催で、移動は大変だったが、ま、これもなれると問題ないかもしれない。アメリカの変化を感じたのは、環境への配慮だ。テレビのコマーシャルもずいぶん変わった。こんなのもあった。草原でカウボーイのような男たちが、木の枝や草を集めている。それを組み立てて、おや、車ができちゃった。で、風が吹いて、その車が、またもとの木の枝や草に戻っていく・・・最後に流れる声は、「全ては自然に帰る」だったような気がする。これ、なんで日本で流さないんだろう。もったいない。トヨタのコマーシャルだったのに。 (うーん、トヨタだったか 確認できないです。ごめんなさい)

こんなのもあった。若い女性が、意を決してドアを開ける。外は大雨だ。一瞬ひるむけど、でもやっぱり雨の中を出て行く。彼女は車いすユーザーだ。で、雨の中を車いすで進み、バスに乗り、向かった先は・・・投票所なのである。投票する彼女に、声が流れる。「弊社は、正しいことをしようとする人を応援します」いいコマーシャルだなあ。でもこれって、家も道路もバスも、もちろん投票所も、ユニバーサルデザインだってことの証明でもある。社会そのものが、きちんとアクセシブルになってこそ、公民としての義務を果たせるのだ。日本でもこんなコマーシャルを、政府広報で作ってほしいものだ。障害者を弱いものとしてではなく、毅然と義務を果たすものとして扱うようなものを。いつか、人々の意識が変わってくれば、そんな日もくるだろう。そのために、毎年、CSUNツアーは開催されるのだから。

画像:Tour10 記念の色紙毎晩の鶴本部屋は本当に楽しかった。12日はTour10記念パーティをサプライズで開いてくれた。柴田さん、林先生、みなさん、本当にありがとう。いつも思うけど、このCSUNツアーがあるからこそ、私のモチベーションがキープできているんだろう。一年に数日間、日本の中の志あるひとが、ここに集まってきて、世界の最先端の状況を見ていく。技術そのものは、日本にあるものも多いかもしれない。でも、それを説明する人も、買って行く人も、高等教育を受け、企業や行政に勤める重度障害者だ。セッションに参加し、展示会で機器を探すのは、普通の小学校の先生であったり、小さな企業の人事担当者だったりする。ATが、普通に使われていて、UDが、普通に浸透している社会。その違いを、じかに感じてほしいと思う。技術はだれのために存在するのか。作られた技術が、どうやって人の手に渡るまで支援されているのか。どうしてこんなに膨大な支援技術の企業がつぶれもせず繁栄しているのか。
ぜひ、参加したみなさんで、もっともっと議論してほしい。日本ではどうすればいい?いつまでも、この問いを宿題として、みなさんに進んで行ってほしい。CSUNではたくさんのOriginに会えたと思う。ぜひ、ここに参加したみなさん自身が、次のOriginになってください。大きな波、心地よい風を作り出していってください。また会いましょう。


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