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3月9日(その2)ロンドン 街の中

午後、時間ができたので、市内を見ることにする。ここはいくつか、有名な美術館にも近い。どこに行こうか。

結局、アルバート美術館は混んでいたのでパス。カードを数枚買って、ハロッズに行った。まあ、高齢者ユーザーの多いこと。トイレに入るのに1ポンド(200円)もかかるという世界なのに、すごくにぎわっている。車椅子のお客様が眼につく。もちろんベビーカーも。カフェではあたりまえのように粉ミルク用のお湯をくれる。売っているものの品質はものすごく良くて、カシミアのセーターなんかはいつまでも触っていたかった。お値段もすばらしかったが。
文具や食器売り場も素敵だったが、なんと言っても食料品がすばらしい。紅茶・コーヒー・チョコレート、お菓子、ワイン…・
結局ここで、おみやげの紅茶などを仕入れる。ハーフボトルのワイン、ハムのキッシュ、ポークパイとパンを買ってホテルへ戻る。どれも安くてとてもおいしかった。サービスを受けるのに銀行と同じような番号札をとるのだが、これがかなり背が高い。しかし、届きそうにないときは周りの人や店員がさっと手を貸してくれる。車椅子のお客様へも、さりげなく手を貸し、気持ち良く笑顔で応対する。このさりげなさが、紳士・淑女の国だなあと感歎するところである。そう、アメリカでも、紳士は席を譲るものだった。英国ではそれがもっとはっきりしている。インドやパキスタンといった異人種もたくさんいるし、多様性という点では米国にひけをとらない。金太郎飴の日本とはかなり趣きが違う。

街の中は車椅子の高齢者が目につく

違っているのが当たり前なのだ。それが人間というものだという感覚が、女性や障害者や高齢者を、当たり前に受け入れる土台になったのだと思う。国際感覚が、多様性への基礎なのである。そう思えば、開国からまだ100年しかたっていないのだから、これからかな、という気もする。すべての英国人がコスモポリタンでないのは明らかだ。USへむかう飛行機の中で、黒人のアテンダントに文句を言いつづける老婦人がいた。彼女は隣の席に黒人女性がいたのが気に入らなかったのだ。Rudeよね! と彼女がバスルームに消えた後、3人で笑った。欧米ではいつもマイノリティの側なので、こんなときは共感しやすい。(後日談 : このおばあさんに話しかけてみた。英国人ではなかった!ベルギー生まれのNY在住なのだと。話してみると、結構優しそうで、そんなにマイノリティに差別感がありそうではない。つくづく人は外見ではわからないと思った)