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家電のUD その2

前回、掃除機を取り上げたが、他にも多くの家電がUDを配慮して作られ始めた。例えば電子レンジは、すべてデジタルにするのではなく、大きな設定ダイヤルで操作量が直感的にわかるようになっている。これは高齢者だけでなく、子供や視覚障害者にも理解しやすい。冷蔵庫は、軽いタッチだけで開くようになっている。力の弱い高齢者や片手で使う障害者だけでなく、肘で開けられるので、両手がふさがっている主婦にも人気だ。大きなボタンと見やすい液晶のドアホンは、高齢者はもちろん、お留守番の子供にも使いやすい。アイロンも昔よりはるかに軽くなってきた。

このように見ていくと、どうしてこれまで家電はUDでなかったのだろうかと、不思議な気がする。家の中で家電を使うのは、主に主婦、高齢者、そしてこどもたちだ。量販店で購入するのは成人男子でも、使う人は別人だ。店頭での評価が、そのまま家庭内での評価ではなかったことが、使いにくい家電を跋扈させてしまったのだろう。

今や家電メーカーは、ユーザーの年齢層の変化や要望の多様化にこたえようとしている。今後の情報家電の進展の中で、UDを理解しているメーカーの存在は、きっと日本のIT産業の強みになるに違いない。

- 2001年3月8日 日経BP ユニバーサルデザインコラム-

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