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IT機器、入力方式とユニバーサルデザイン

パソコンの入力が、本当は難しいと思っているひとは多い。あの、わざと難しく配列されたキーボードも、マウスのダブルクリックも、高齢者や初心者には敷居が高いものなのだ。もう少しIT機器の入力をやさしくできないかという研究は、各所でなされている。音声入力もその1つだ。パソコンに向かって話しかけると、パソコンがその内容を認識して命令を実行したり、画面に表示したりしてくれる。今ではパートナーロボットやモバイル機器にさえ搭載されるようになった音声認識だが、これも最初は、障害を持つ人のために開発された技術の一つだ。

交通事故などで首の骨を折る。頚椎の中の、頚髄という神経の束が損傷すると、首から下がすべて動かなくなる。いわゆる、頚髄損傷という状態である。このような状態だが、話はでき、目も耳も使える。なんとか、学校へ、職場へ、復帰できないか?IT機器を使う方法はないのか?音声認識は、最初、そのような人のニーズから生まれ、そして一般化していった技術である。日本語環境ではまだ完全ではないが、障害者に使いやすいものは、健常者にも使いやすい場合が多い、というユニバーサルデザインの見本の一つと言えるだろう。

- 2001年1月15日 日経BP ユニバーサルデザインコラム-

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